1つ前のブログで、「人の不幸は蜜の味」という視点から嫉妬について書いた。今回はある女性をモデルにして、嫉妬という視点から女のえげつなさというものを考えてみようと思う。

ところで私は、林真理子という作家が好きだ。彼女の書く作品は、女の本質をものの見事に表現しつくしている。きれいごとで生きている女。いつまでも夢見る夢子の女。自分こそが正義だと剣を振りかざす女。自分の夫の立場が自分と等しいと大きな勘違いをする女。
色んな生き方があるけれど、女というものは常に心の奥底に毒を持ち続けている。表面上と心の奥の思いは全く違う。
そんな女を見事に描き切っているのが、林真理子だと思う。彼女の小説やエッセイを読みすぎなのかもしれないが、今日はある実在する女性のお話に、少し手を加えて、一応フィクションとして「おんなのえげつなさ」を書いてみたい。
ある女がいる。その女性の名前をMiranda(ミランダ)ということにする。あくまでも、仮名である。そしてこれは【一応】フィクションです!
Mirandaは、14歳の頃から交際を始めた男性と結婚をした。子供が二人いた。娘と息子。夫は自由人で、休みになると一人でハイキングや釣り、サイクリングに出かけていた。まるで家にいたくないかのように、時間があれば出かけてしまうタイプの夫のだった。夫婦の会話はすでにほとんどなく、お互いにもう話すことがないのではないか、と思うほど、日常では言葉を交わさなかった。しかしながらMirandaは、自分の家庭は順風満帆だと思うようにし、夫の自由な行動に不平不満があったとしても我慢した。夫に比べると、彼女には友達は多くなく、家にいることが多い彼女は、出産後から次第に太っていった。若い頃の輝いた彼女は、すでに見る影もない。太り、髪は乱れ、化粧もしなくなり、ちょっと素敵なレストランに行く洋服すら持っていなかった。夏はTシャツに短パン。弛んだ腕と足をさらけだして歩くことに抵抗はなくなっていた。だぶっと体を覆い隠すタイプのTシャツを着ていても、彼女の弛んだお腹ははっきりとわかる。
そんな妻に夫が色気を感じるはずもなく、夫はいくつもの浮気を重ねていた。当然、夫婦の間はセックスレスで、しかし妻は「子供がいるから」と自分に言い訳をし続けながら、太り続けていた。
夫の浮気は、当然結婚前からあったことで、彼からすればMirandaとは、致し方なく結婚した、というところなのだろう。結婚前から浮気を重ね、さらには結婚して22年もの間、実に浮気の回数は6回!そしてそのうち2回は、同じ女性と本気の恋愛をしていた。
ある時、夫が浮かれた様子で「ちょっと旅行に行ってくる!」と言い出した。それも3日後からだという。Mirandaは直感的に何かを感じた。「おかしい、ひょっとして」
今までにも、彼の浮気は何度も疑っていた。わかりやすいけれども、証拠をなかなかつかめなかった。それに浮気の交際期間はそれほど長くなかったように思うので、今回も放っておけば別れるだろう、と彼女は思っていた。
しかし、夫はその女性に本気だった。二人の交際は3年以上続き、ある時Mirandaは夫の恋人に嫌がらせ、ネットストーカーを始めることになる。それは嫉妬と悔しさからくる行動だった。
さて、ここまでならばどこにでもある嫉妬ストーリ―。しかし、Mirandaの場合、この先が非常にえぐい!えげつない!
彼女が始めたことは、夫の恋人の情報を調べ上げること。インターネットやSNSを使い、夫の恋人の個人情報を徹底的に調べ始めた。携帯電話番号を突き止めるとそれをSNSに書く、夫の恋人の職業がわかるとそれを馬鹿にしたように投稿する。そういうことを繰り返し始めた。それは敵視とか嫌がらせのレベルを超えて、彼女の嫉妬心や悔しさを自分こそが正義であるという考え方に置き換えた、女の浅はかさとえげつなさの典型だろう。
自分の心を保つため、不安や怖れを払しょくするために、夫の恋人を傷つける、という手段を選択した。そしてその彼女の言い分は「私が傷つけられた分、相手を傷つけても問題はない。それが正義」というもの。
さらにMirandaは、夫のメールやFacebookアカウントのパスワードなどを調べ、勝手にログインして閲覧するようになっていた。それは夫婦であったとしても決してやってはいけないこと。しかし彼女の言い分は「追跡してよくないことを断ち切らせるのは、当然のことで、正義」というもの。それを信じきるようになった。
このお話には、まだ先があるが、今回はここまで。
この話の中で十分に女というもののえげつなさがわかると思う。周囲の人や自分の夫には、社会の規範、ルールを守ることを伝えながら、自分自身は嫉妬の渦で自分のやっていることが間違ったことだということに、全く気が付いていない。そして万が一、それを誰かに指摘されたら、「何を言っているの!私は何も間違っていないのに、なぜ非難されるの?」とおバカなことを言うに違いない。
男性から見ると、女性のえげつなさは、最強で敵わないと感じるそう。「えげつない、悪魔、嘘つき、女性はこれがすべて当てはまる」という男性もいるほど。確かに女は必ず嘘をつくし、嘘をつくことが正義であると信じきってしまうところがある。
このお話の中のMirandaも、大噓つきで、自分こそが正義と信じきっているからこそ、えげつない、と言えるのだろう。夫や恋人の携帯のを勝手に閲覧して、浮気の証拠をつかみ、あたかも他から情報を得たかのように「浮気しているでしょ!」と追及をする、そんな女が山ほどいるあたり、女は結局自分のことしか考えていない生き物なんだなぁ、と実感させられるのだ。
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